名古屋料理調菜仕出し業組合

仕出し組合や仕出し料理について

ごあいさつ

「仕出し」とは、ご注文に応じてご用向きにあわせた料理をつくり、指定された場所へお届けしてご提供するということです。日本の伝統的な習慣と深く関わりのあるひとつの食文化として定着しておりますが、近年は耳慣れないという方もいらっしゃるかもしれません。
このサイトでは、皆様に「仕出し」についてもっとよく知っていただき、生活の様々な機会にご利用していただけますようにご案内をしております。私共の活動が皆様のお役に立てましたのなら幸甚でございます。

名古屋料理調菜仕出し業組合長 安藤誠二

仕出し料理と仕出し組合

注文先までお料理をお届けすることが「仕出し」

仕出し店が料理店と違うところは、相談をして自由に料理を注文でき、お客様がご自分の指定した空間で食べることができるという点です。仕出し店には「配達する」ために料理内容に一定の制約はありますが、例えば京都の「御茶屋」文化などを見てもわかるように格式や調理技術などで料理店との大きな差異はないものと思われます。むしろ器の中や料理自体という限られた条件の中で、季節感を表し“華やかさ”あるいは“しめやかさ”といった雰囲気も盛り込む、また場合によっては冷めていてもおいしく食べられる、などいわば特殊な「技(わざ)」が必要とされます。

日本の伝統的習慣が築き支えてきた業

仕出し業の元は主に八百屋さんと魚屋さんと言われています。
ご近所で何かお祝い事や法事、会合などがあるときに、食事を頼まれて届けたことが始まりで、江戸時代には既に今日の原形があったとされています。最初の頃は単品の仕出しが多かったようですが、やがて料理全体を作るようになり、器に料理を詰めて届けたり、大方の下ごしらえをしてからお客様の家に出向き、そこで仕上げてお出ししたりしていました。料理の内容も、婚礼や結納などの慶事の料理から法事の際の精進料理、あるいは御茶会の懐石料理や宴会・会席料理など、現在と同じようにご注文があればできるかぎり対応をしていたようです。

名古屋料理調菜仕出し業組合の歴史

私共の組合の記録としては、昭和15年の日付で各料理の価格を記した看板が残されており(写真)、そこには「名古屋料理調菜業組合」の名前が記されています。戦後は、食料統制下で配給を受けるためか100店以上が加盟していた時期もありましたが、近年殊にバブル期を経て組合加盟店の数は徐々に減りつつあります。景気の低迷もありますが、家族構成や家の構造の変化を伴った生活様式の移り変わりによって、需要が変化していったことによるところが大きいと思われます。仕出し業は日本の伝統的な習慣と一体となったところのある業種なのです。

仕出し組合の活動

伝統の継承と食文化の発展

現在、名古屋市内でもいわゆる新興住宅地には組合加盟店はありません。しかし、人の集まる場には必ず需要があります。ケータリングとか出張パーティーというのが耳新しく聞こえた時期がありましたが、呼び名を変えただけでつまり「仕出し」のことです。
日本の食文化にはゆるやかな変化の流れがあり、今 私共は伝統を尊重しながらも、お客様の新しい志向や要望に幅広く応えていく必要性を感じています。そのために、例えば和食の枠にとらわれず、洋食をはじめいろいろな料理や食材を時代に合わせて取り入れたり、新しいメニューを創造したりする、あるいはお客様の求めているようなサービスを提供していく、といったような事が大切になってきていると言えるでしょう。
私共、名古屋料理調菜仕出し業組合では、研修や親睦活動または定例会での話し合いなどを通じて、これからの仕出し業の在り方を模索しています。そして、日本の食文化のすばらしい伝統を継承しながら、時代に即した新しい「仕出し」の創造や提案もしてまいりたいと思っています。

名古屋料理調菜仕出し業組合 サイト管理者

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玉伝本店 安藤誠二 名古屋市中区栄4-18-19 052-241-3845
八百善本店 本田和宏 名古屋市中区松原2-5-5 052-321-2805
近繁 周防英樹 名古屋市西区那古野1-36-1 052-551-0570
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